2016年11月28日月曜日

3ヶ月遅れの市長の行政報告

さきの6月定例会以降、現在までの市政運営事項等についてご報告申し上げます。

 まず初めに、6月18日、食育月間に合わせ、生きる上での基本である食の大切さをみんなで考え、健全な食生活を送っていただくことを目的に、第4回「うすき食育フェアwith給食フェスタ」を開催しました。「食と防災はつながっちょる!」をテーマにした講演や、別府大学短期大学部食物栄養科の皆さんによるステージ、生活習慣病の予防改善を意識した内容の各コーナーをめぐる食育スタンプラリーなどで健康的な食の普及啓発を行いました。
 小さいころからの食生活を初めとした生活習慣の積み重ねが、将来の生活習慣病や合併症からくる介護予防にもつながります。
 今後も、食にかかわる多くの関係機関、関係部署の皆さんと協力して食育を推進していくことで、健康で笑顔のあふれる家庭・地域が増えていくことを期待しております。
 次に、6月27日、男女共同参画講演会を開催しました。「ワーク・ライフ・バランス 男性も女性も自由になろう」と題して、元アナウンサーで現在タレント、エッセイストとして幅広く活躍中の小島慶子さんをお招きし、ご自身の経験や子育て、ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)の重要性を、そしてまた日本社会が抱えるこれからの課題について講演をいただきました。
 今回の講演会は、現在活躍中の著名な方が講師であることから、当日は悪天候にもかかわらず多くの方々に来場していただきました。男女共同参画社会実現のため、家庭、職場、地域において男女にかかわりなくその能力を発揮できる男女共同参画社会について深く考える時間となりました。今後も、市民、事業所、臼杵市が連携し、男女共同参画社会の推進に努めていきたいと考えております。
 次に、7月6日から、臼杵市歴史資料館で、企画展「いきものにまつわるエトセトラ~臼杵のひとといきもの関わり史~」を行っております。
 臼杵の山や海、川を舞台にした「ひと」と「いきもの」とのかかわりについて、臼杵市所蔵の古文書や典籍、絵画資料を中心に展示しております。内容は「獲る」「使う」「祈る」をキーワードに、臼杵でたびたび鯨が捕獲されていたことや藩が運営する牧場が設置されていたことなどを紹介しています。
 今も身近にいる生き物と人との関係を示す歴史資料を展示することで、昔から受け継がれてきた臼杵の豊かな自然への思いを深めるとともに、市所蔵の絵画等に実際描かれているものを目にすることで、臼杵の歴史に対する興味関心を高め、地域に残る文化財を保護することの大切さが伝わってくることを期待しております。
 なお、この企画展は9月26日まで開催しています。
 次に、7月13日から15日まで、東京ビッグサイトで行われました一般社団法人日本経営協会主催の「国際モダンホスピタルショウ2016」において、「うすき石仏ねっと」が「自治体総合フェア2016」の「協働まちづくり表彰」で準グランプリを受賞したことを評価され、主催者の強い依頼により、「求められる連携と地域包括ケアの充実について」のテーマのもと先進的な事例として出展し、事例紹介を行いました。
 この国際モダンホスピタルショウは、保健・医療・福祉の領域では来場者8万人を超える国内最大規模級の展示会です。「うすき石仏ねっと」は、医師会・歯科医師会・薬剤師会・介護事業所・消防署・行政が連携し、他に類を見ない官民一体となった運営が評価されて出展に至りました。当日は、出展ブースに多くの来場者が訪れ、「うすき石仏ねっと」に対する関心の高さがうかがわれました。
 また、医療・福祉施設等の参加率の高さや市民の加入率を示すカード保有率の高さも誇っており、加入者が8月中に1万人を超え、9月1日に、1万人目の加入者に対し石仏カードの交付及び記念品の贈呈を行いました。加入者におきましては、高齢者だけでなく子育て世代などにも加入していただくため、今後、母子健康手帳内容などの情報も「うすき石仏ねっと」で共有できるよう整備していくことで、幅広い世代の加入者を増やし、より多くの市民の皆さんに安全で質の高い医療・介護サービスや、いざというときの安心を提供していただきたいと考えております。
 次に7月20日から、臼杵市緊急観光振興事業として「臼杵を観食!お得や券」の食事クーポン券発行事業を始めました。この事業は、ご案内のように本年4月に発生した「熊本・大分地震」の影響による風評被害で減少した観光客数の回復とともに、キャンセルが相次いだ飲食店の誘客を目指すため、臼杵市観光情報協会、吉四六の里観光協会、臼杵商工会議所、野津町商工会で臼杵市緊急観光対策実行委員会を組織し実施しています。
 市内の有料観光施設、例えば、臼杵石仏など7カ所のうち1カ所に入館していただき、その際に専用チラシにスタンプを押し、臼杵市観光交流プラザへお持ちいただければ、2,000円分の食事クーポン券である「お得や券」と交換することができ、市内の取り扱い店舗で食事代の支払いに利用できます。さらに、交換時には抽せんで250名に「ふぐフルコースペア食事券」など臼杵の特産が当たる「Wチャンス」も行っています。
 この「お得や券」は、2,500部発行としており、期間は9月30日までとなっております。8月31日までの発券数は1,807部で、市内飲食店から事業実施への好評を得ています。また、有料観光施設、特に臼杵石仏の入館者が、お得や券交換のために観光交流プラザを訪れていただくことで、中心市街地での飲食や町並み散策などへの波及効果もあらわれています。
 また、臼杵石仏の入館者は、4月から6月までは地震の影響で前年比4割とか5割減となる厳しい状況でしたが、7月には客足が戻り、8月には前年を上回る結果となり、この「お得や券」の効果もあらわれているというふうに考えております。
 今回の観光振興事業の取り組みに際しましては、アンケート調査も行っていますので、期間終了後に分析するなど、今後の観光行政に十分に反映していきたいと考えております。
 次に、7月22日、結婚支援員「イランショワさん」の登録証を、女性10名、男性2名の12名の方に交付を行いました。これは、臼杵市で若年層における未婚率が男女ともに全国平均よりも高くなっている現状を踏まえ、昨年度より本格的に婚活事業の取り組みを開始しており、この取り組みの一つとして結婚支援員を設置し、婚姻率の向上を目指すものであります。
 イランショワさんとは、お世話やきやおせっかいに似た意味で、臼杵ではなじみのある方言で「いらんしょわ」を使った名前ですが、誰かと誰かを引き合わせてご縁をつないだり、積極的になれない方の背中を後押ししたりして、そんな素敵なよい意味でのおせっかいをやいてほしいという思いを込めています。
 イランショワさんには、結婚を望む独身の相談者に対し、出会いの機会の仲介や婚活イベントの紹介などの支援活動をボランティアで行っていただきます。
 こうした各種婚活事業の取り組みにより、婚姻率を伸ばし、少子化対策へつなげていきたいと考えております。
 次に、8月1日、臼杵市との包括連携協定を締結している大分県信用組合と連携し、大学等への就学のために教育ローンを借り入れした保護者に対し、市が利子相当分の補給を行う「夢応援教育ローン利子補給事業」の平成28年度入学者分の募集を開始しました。
 この制度は、生徒の進学への希望実現と保護者の経済的負担の軽減を目的に、子育て環境の向上施策の一つとして創設した制度です。大分県信用組合からの融資上限額300万円までの2%利子相当分を補給するものであります。対象者の要件は、本市に住民票を有し、当該世帯の所得状況が一定基準以下であること、生徒本人の高校における学業等の成績が基準以上であることなどの資格審査に適合し、その後、大分県信用組合での借入審査手続を完了した方としております。
 平成29年度入学者を対象とする募集につきましては、本年10月から12月末日までの予定にしております。また、本市と包括連携協定済みの他の3つの金融機関につきましても、本制度の連携について現在協議中であります。
 次に、8月2日、平成28年度の子ども市議会を開催しました。今年度は、市内の小学校13校より15名の小学生が議長、副議長や議員を務め、臼杵の観光や文化財の保護、防災・ボランティア活動、空き家対策など、日ごろの生活や総合学習で学んだことに、小学生らしい元気な態度で質問を行いました。
 子供たちには、この貴重な経験を生かして臼杵市の将来を担う人材になってもらいたいと期待をしているところであります。
 次に、8月17日から、昨年度に引き続き、ジュニア防災リーダー養成講座を開講し、今年度新たに20名を認定しました。
 市内の中学2年生を対象とし、防災に関する知識や技術を習得することにより、災害対応の責任感・連帯感を養い、この講座を通して、地域の防災リーダーや消防団員として活躍できる「ひと」づくりにつながっていくことを期待しています。講座では、地域の防災活動や消防団活動について学び、また応急手当の方法や地震体験、火災消火体験などによる実技指導も受けました。
 ジュニア防災リーダーの皆さんには、30年以内に70%の確立で発生すると言われている南海トラフの地震・津波を初めとして、全ての自然災害から「自分の命を守る」ことができるようになり、家庭や学校や地域においても積極的に防災啓発活動に携わっていただくことを期待しているところであります。
 また、本年10月30日に予定している臼杵市一斉総合防災訓練では、地域住民や小学生へ応急担架作製の訓練指導を行うとともに、避難所運営を体験することにより、災害時における社会貢献について訓練を通して学んでもらいたいと考えております。
 次に、昭和54年に開館し、生涯学習の拠点として年間10万人の市民に利用していただいている「臼杵市中央公民館」のホールとトイレの改修工事を6月から8月末までに行いました。工事期間中は、多くの市民の方々にご不便をおかけいたしましたが、ホールでは、つり天井の改修を行い耐震性が確保されるとともに、照明機器・音響設備のリニューアルにより機能強化された明るいホールとなりました。トイレも洋式化に加え、多機能トイレも設置されました。高齢社会にも対応できるトイレとしての改修やホールの機能強化により、今後も多くの利用者に親しんで活用していただける施設として運営してまいります。
 次に、8月24日と29日に、人権・同和問題講演会を野津地域、臼杵地域でそれぞれ開催しました。「あなたの個人情報がねらわれている~身元調査と登録型「本人通知」制度~」と題して、山口県人権教育啓発センター事務局長の川口泰司さんを講師にお招きし、講演をしていただきました。2011年に発覚した住民票や戸籍の附票などの個人情報大量不正取得事件や最近の個人情報の流出事件などの概要と、それらの事件が私たちの生活にどのように影響しているかを解説していただくとともに、これらの戸籍の附票や住民票の不正取得を防止するために、当市でも取り組んでおります登録型「本人通知」制度の意義について分かりやすく説明されました。また、両会場とも、登録型本人通知制度の制度説明コーナーを設置するとともに、『登録型「本人通知制度」の特別受付』を開設し、来場者の登録促進に取り組むなど、多くの方に人権について考える機会を提供することにより、人権意識の高揚を図ることができたと考えております。
 今後も人権尊重社会の実現に向け、各種啓発事業を継続的に実施し、同和問題を初めとするあらゆる差別の解消に向けて取り組みを行なっていきます。
 最後に、移住定住施策事業実施について報告いたします。
 都市部からの地方移住に対する意識が高まっている中で、全国の多くの自治体が移住者獲得のため、東京などの都市部への情報発信の取り組みや、移住希望者を対象としたモニターツアーなどを実施しております。
 臼杵市では、これまでの移住定住策に加えて、東京都内にあるオーガニック店舗を活用した「うすき暮らし情報発信事業」を始めました。臼杵の特色や暮らしの情景を効果的に発信していくため、都市部の人が特に注目している食、オーガニックという観点から臼杵の魅力の発信に取り組みます。店舗内において、臼杵のパンフレット、ガイドブック、オーガニックに関するPRスペースを設置するとともに、7月11日から18日の期間中には「臼杵フェア」として、ほんまもん農産物などの臼杵の素材を使ったメニュー提供のほか、臼杵のPR、移住セミナー、相談会を開催しました。
 なお「臼杵フェア」は、9月と来年1月にも開催を予定しております。この取り組みにより、年間を通じ臼杵の情報を発信することが可能になります。今後、移住に関する全国イベント、大分県主催のイベントとも連動した開催とすることで、交流が促進され、より多くの人のつながりをつくり、臼杵ファンを増やしていきたいと考えており、その中から実際に移住者が増加していくことを期待しております。
 また、7月29日から31日まで、移住希望者向け体験ツアーを実施しました。臼杵への移住を考えている方に、移住する前に臼杵市のことをより知ってもらうということと、臼杵のことを体感し理解した上で移住を決めてもらうことを目的としています。
 一昨年から開催しているこのツアーは参加者から好評をいただいており、実際に移住をした参加者も多くいます。今回のモニターツアーにも、東京都、埼玉県より3世帯4名の参加をいただき、移住支援制度説明会、相談会、グリーンツーリズムによる農泊、空き家バンクの物件見学、移住者のお宅訪問、しいたけ農家訪問といった盛りだくさんの行程を組み、臼杵を体感していただきました。その中で、移住に前向きな方もいらっしゃいますので、今後、具体的な対応を進めてまいります。また今年度、さらに2回実施する予定ですので、引き続き、地域の風土や人柄、新鮮な食を知っていただけるよう、農村民泊などを通じて臼杵の魅力を紹介するツアーを実施し、移住定住の促進を図ってまいります。
 このような移住定住施策を推進する中で、市外より臼杵へ移住を考えている方や移住した方の不安や悩みを軽減し、移住希望者や移住者に一層寄り添った支援が必要であり、また大変重要であります。そのため、行政のみではなく、市民皆さんの目線で必要な相談や支援を行っていただける「移住定住サポーター」を設置しました。サポーターは登録制として、既に移住されている方および市内の郵便局長さんの22名の方に登録していただき、8月17日に登録証の交付式と第1回のサポーター会議を開催しました。
 行政の窓口のみでは対応できない個人的なことや転入地域独自の慣習などにつきまして、気軽に相談対応できる場の設置により、移住者がスムーズに地域になれ親しんでいただけるような環境づくりを目指します。また、移住定住情報の発信や移住モニターツアーへの協力など、移住定住支援活動を行っていただきたいと考えております。さらに、移住後におきましても、交流会の開催を積み重ね、定住の定着に向けたサポートも期待されているところであります。
 また、既に導入しています空き家バンク制度では、8月末現在で登録物件数が67件、このうち成約に至った件数は30件となっています。ただし、利用希望者登録件数は増える一方で、登録物件がまだまだ不足していることから、今後あらゆる角度から空き家情報を得ることが重要であり、所有者の意向も把握した上で支障となる課題等を解決する方法を探り、物件の増加につなげていきたいと考えております。
 また、移住者の居住支援促進事業につきましても、様々な補助制度の利用実績は、平成27年度が76件の166名でした。平成28年度8月末現在、つまりこの5カ月間で既に49件の132名の利用があり、さらなる利用促進のため、引き続き情報発信に努めていきたいと考えております。
 今後とも、こうした移住定住の政策に着実に取り組み、人口減少に歯どめをかけられるよう成果を上げていきたいと考えているところであります。
 以上、報告しました「うすき石仏ねっと」やジュニア防災リーダー、食事クーポン券の「お得や券」、移住定住・婚活事業の取り組みを初め、子ども・子育て支援、高齢者対策、産業振興施策など私が市政2期目に掲げた5つの基盤づくりの各事業と、昨年から取り組んでおります臼杵市まち・ひと・しごと総合戦略による様々な事業は、いずれも市議会はもとより、市民皆さん方のご理解とご協力のもと協働で取り組んだ結果、成果としてあらわれてきているものと手応えを感じております。
 つきましては、これまで手がけてきた施策に一層磨きをかけ、臼杵市のさらなる発展、進化に向け、改めて決意を持って取り組んでまいりたいと、そういうふうに考えているところであります。
 以上、6月定例会以降の市政関連事項につきまして、報告を終わります。

0 件のコメント:

コメントを投稿