2013年1月17日木曜日

終末期医療と大島監督

http://blogs.yahoo.co.jp/mymomomi/39725392.html
(以下引用)

映画監督の大島渚氏が逝去されたそうだ。御年80。女優の小山明子さんとは、おしどり夫婦として知られていた。
しかし、介護生活は、なんと17年の長きに及んだそうだ。小山さんは、夫の大島氏の介護からくる重いうつ病になり、何度も入院してきた。二人の息子さんもお持ちのご夫婦だが、この17年間、どれほど壮絶であったかは想像すらできない。
私の知人で、介護問題に関心の深い人がいる、彼女は、専門家による講演を聞きに行っているのだが、小山明子さんもその講師の一人であった。
小山さんがはっきりおっしゃっていたのは、
「経済が続かない」
ということであった。大島氏は、要介護度5であったという(5は最重度)。それでも、奥さまの小山さんがあちこちで講演をして歩いているのは、生活費と夫の入院費が必要であったからに違いない。小山さんは御年77だが、朗読や、舞台の仕事もスケジュールに入れている、と話されたという。普通は、77歳にもなるとなかなか仕事など来るものではないが、そこは女優さんだから、年齢とキャリア相応のお仕事は来る。しかし、それが生活費と夫の医療費に横滑りするとは、重苦しすぎる。
大島氏のことをWikiで見て、一つ「やっぱり」と思ったことがあった。
大島氏は、映画監督としてのご自身の年収のことを、自虐的でもあろうけど、坂本龍一氏に、
「400万円くらい。一般のサラリーマンの半分くらいだ」
と語っておられたことだ。たしか黒澤監督も、自己の財産を映画制作費に投じてしまうので、CM出演料で食べていた時期もあったと聞く。大島監督の場合は、あまり多作とは言えなかったと思うし、テレビ朝日などのコメンテーターに積極的に出演なさっていたのは、やはり、背に腹は代えられぬ事情もおありだったのだろう。
小山さんは、夫の医療費ねん出のために、自分名義のマンションも売却したそうだ。講演では「捨て去ることも大事」と述べておられたそうだが、「捨て去る」どころの話ではない。捨て去っても、正直言って、回復して元のように会話ができる可能性のほどんどなかった要介護度5のご夫君である。
個室に入院させるのも大変だったそうだし、空き部屋がないから、という病院の説明で、特別室に入院させられたこともあったそうだ。これでは「経済が続かない」のも当然である。
おしどり夫婦として知られ、ご夫君に対する愛情も大変なものがあったと思うのだが、ここまで妻がぼろぼろにならなければならない「終末医療」「介護」とは何だろう。私自身がこのような状況になったら、余計な費用と時間をかけさせたくないので、さっさと楽にしてほしいと真剣に思う。高齢者への莫大な医療費の支出で、日本国はつぶれそうなのだ。医療費は、これから将来ある子供や若者、壮年が重篤な病気から回復するためにこそ使ってほしい、と思う。
小山さんは、それでも、
「女優のプライドとかマンションとか、捨てるものがたくさんあったが、その代わり、地域とのつながりとか、かけがえのないものを得た」
とも述べておられたそうだ。
泣かせるではないか。
小山さん、これからゆっくりお体を休めてください。
大島監督のご冥福をお祈りします。

-------引用ここまで

医療保険は崩壊寸前です。終末医療を考えなければならない時期に来ています。

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